どうも、Yuma(ユーマ)です!
私は現在、2022年末に家族(嫁・娘)とマレーシアへ移住するために準備を進めている30代男です!
今年に入り約20%以上も円安が進んでいる状況は、日本にいる米国株投資家にとっては非常に嬉しいことですが、一方で「為替差益」を認識していますか?
通常であれば、この為替差益は気にする必要がないのですが、人によっては確定申告が必要になるケースがあります。
そこで、本記事では、米国株投資家であれば必ず知っておくべき為替差益について解説していきます!
この記事を読めば、
・米国株投資と為替の関係
・確定申告が必要になるケース
・確定申告を避ける2つの方法
が分かります!
それでは、どうぞ!
米国株投資と為替の関係
我々日本人が米国株投資をするメリットは、株価の上昇と為替差益で二重に儲けることができる点です。
米国株投資をする以上は、ドルで購入しなければいけませんが、売って円に両替する時が、ドルで購入した時よりも「円安ドル高」になっていれば、株価の上昇に加えて為替差益も得ることができます。
例えば、1年前に10,000ドル分の商品を購入したと仮定します。その時のドル円が1ドル=100円です。
その後、株価が20,000ドルまで上昇して売却した場合、その時のドル円が1ドル=110円となっていれば
利益率 = 20,000/10,000(株価の上昇) × 110/100(為替差益) = 220%
※株価の上昇のみで、為替差益がなければ利益率200%となる。
となり株価上昇のキャピタルに加えて、為替差益で儲けることができます。
一方で、国税庁が定めたルールでは、為替差益は雑所得で確定申告をする必要があります。
ただし、年収2,000万円以下の給与所得者で為替差益を含めた給与所得以外の所得が年間20万円以下であれば確定申告不要ということになります。
しかし、このような為替差益が年間20万円以上になった場合、購入・売却時等の為替レートで円換算で計算し自ら確定申告をして税金を納める必要があるのです。
ここで、私たちの助け舟が、特定口座やNISA口座の存在です。
こちらは国税庁のHPですが、結論からいうと、特定口座やNISA口座を使って取引した場合、為替差益は株式の譲渡益と一緒に徴収されることになっています。
つまり、特定口座やNISA口座を使っていれば、証券会社が勝手に計算して為替差益の税金も徴収してくれるため、何も考えなくて良いわけです。
だからこそ、多くの米国株投資家にとって、為替差益に係わる確定申告をこれまで特段気にする必要はありませんでした。
ここまでが為替差益に関する背景知識です。
このように通常であれば確定申告をする必要がないのですが、ある条件が重なった場合、確定申告をしなければいけないケースがあるのです。
次章では、確定申告が必要になるケースについてお話しします!
確定申告が必要になるケース
それはズバリ「配当金や米国株売却時に得た米ドルを口座内に放置していた場合」です。
厳密に言えば、放置だけであればOKですが、以下に示すことを実行した場合、為替損益が生じます。
損であれば問題ありませんが、益、つまり為替差益であれば確定申告が必要になります。
会社員であれば、それが年間20万円を越えた時点で確定申告は必須です。
放置していた米ドルを円へ両替した場合
長年証券口座内で眠っていた米ドルを使って、円へ両替したとき為替損益が生じます。
例:1年間口座内に10,000ドル(取得時の為替レートは1ドル=100円)を放置し、その後日本円へ両替(両替時の為替レートは1ドル=130円)
上記の場合、300,000円の為替差益が生じるので、年間20万円以上の雑所得を得たということになり、確定申告が必要になります。
ただし、この例であればなんとなく為替差益が生じる、というのは理解しやすいかと思います。
注意しなければいけないのは次の例です。
放置していた米ドルで米国株を新規で購入
証券口座内で放置した米ドルを使って、米国株を新規で購入した場合も為替損益が生じます。
例:1年間口座内に10,000ドル(取得時の為替レートは1ドル=100円)を放置し、その後10,000ドル分の米国株を購入(購入時の為替レートは1ドル=130円)
上記の場合、両替をしていないのにもかかわらず、米国株など新規で商品を購入した時点で為替差益が生じてしまうのです。
このようなケースの場合でも、為替差損が生じるということを認識している米国株投資家は少ないと思われます。
これまでのお話を整理したのが以下の図です。
❶と❸までの期間が限りなく短い場合、仮に為替差益が生じても誤差程度で済む可能性が高いですが、期間が空けば空くほど、為替差益が大きくなる可能性があります。
そして、この損益が年間20万円を越えてしまえば、即確定申告が必要になります。
ただし、これは会社員の方であり、個人事業主の方は少額の雑所得でも確定申告が必要になります。
しかも、2022年に入ってからドル円は20%以上変動しており、数十年ぶりのボラティリティの高さです。
仮に、年初から10,000ドルを口座内に放置していれば、円換算で20%以上も為替差益が生じていることになるので、両替や新規で買い付けを実行した時点で確定申告しなければいけません。
確定申告なんてすればいいじゃん、と思われがちですが、自分で為替レートを計算して書類を作成しなければいけないのです。本当に面倒くさいです。
面倒くさいからといって確定申告を怠れば、当然脱税ということになりますので、無視することはできません。
今回のケースで解説した為替差益は、日本に住みながら米国株投資をしている人であれば全員知っておくべき内容ですが、意外と認識していない方がほとんどです。
実は、このような為替差益による確定申告を避ける方法が2つあります。
次章ではその方法について解説していきます!
確定申告を避ける2つの方法
このような確定申告を避ける方法は、以下の通りです。
❶ 同日中に両替する
❷ 同日中に外貨建てMMFを購入する
この「同日中」というのがポイントです。
それは、同日中であれば為替取引による利益は発生しないものとしてみなされるためです。
❶ 同日中に両替する
これは説明するまでもありませんが、配当金や株売却時の米ドルが口座内に着金した日のうちに、円へ両替するという方法です。
もし、SBI証券を利用しているのであれば、住信SBIネット銀行で両替するのが大変おススメです。
住信SBIネット銀行であれば、1ドルあたり2銭と為替手数料は最安です。
SBI証券での米国株の購入方法という記事で、具体的な内容を解説しているので読んでみて下さい。
❷ 同日中に外貨建てMMFを購入する
配当金や株売却時の米ドルが口座内に着金した日のうちに、外貨建てMMFを購入する方法です
外貨建てMMFの特徴は、以下の通りです。
・Money Market Fundの頭文字
・外貨で運用できる投資信託のひとつ
・国債などの比較的安全性が高い商品で運用されるため、株と比べて値動きは小さい
・いつでも解約できる(即現金化が可能)
・購入単位は1,000円以上から1円単位
購入単位が1,000円以上から1円単位で購入できるので大変おススメです。
しかも即換金することができるので、流動性は非常に高いです。
SBI証券では、売却注文を出した瞬間に、米国株式の買付余力に即時反映されます。
楽天証券では、ゴールドマン・サックスが提供している外貨建てMMFを購入すれば、なんと解約せずに直接米国株を購入することができます。
外貨建てMMFという商品自体はあまり有名ではありませんが、確定申告を避ける強力な武器です。
以上が確定申告を避ける2つの方法になります。
どちらにせよ、大切なのは「口座内に米ドルを放置しない」ということです。
少額であれば問題ないかもしれませんが、10,000ドル以上の米ドルを放置することは避けた方が良いです。
さいごに
このような確定申告は、通常であれば考える必要はないかもしれません。
しかしながら、2022年は年初から一気に円安ドル高が進みました(下図)。
そのため、10,000ドルのような額でさえも、年初から口座内に放置して両替や新規買付を実行した時点で、確定申告が必要になるのです。
とりあえず、この記事で言いたいことは「口座内放置プレー」はやめましょう!ということです(笑)。
今回の記事では、米国株投資家であれば必ず知っておくべき為替差益、そんなテーマで解説しました!
それでは、またお会いしましょう!
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